ドローン用航空管制システムを開発する「UNIFLY」社CEO Marc Kegelaers氏に聞くドローンの未来

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先日、テラドローンとの資本業務提携を発表したベルギーのドローンスタートアップ「UNIFLY」。今回は株式会社CLUEのCEOである阿部亮介が、UNIFLYのCEOであるMarc Kegelaers氏にインタビューを行った様子をご紹介したいと思います。

 

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UNIFLYはベルギーに本社を構えており、Flemish institute for technological research(VITO)から事業を独立化し2015年に設立されました。同社はドローンと有人航空機の航空関連ソリューションの提供を行っているソフトウェア企業です。同社は欧州でUTM(Unmanned Traffic Management)サービスの開発と提供を行っています。UNIFLYの主な目標は、空域でのドローンの安全な運用を促進することです。同社が現在提供しているサービスはUNIFLY LAUNCHPADとUNIFLY PRO、UNIFLY SENTRY、そしてUNIFLY CONNECTの4つとなっております。

 

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UNIFLY LAUNCHPADは無料の地図アプリケーションで、ユーザーが現在いる区域が法的にそして安全にドローンの飛行が可能かどうかを表示してくれます。アプリのデザインは非常にシンプルで、飛行が可能な区域に関しては緑色に、飛行が禁止なエリアについては赤色に表示されます。飛行可能かどうかについてはドローンのタイプや登録状況、その区域の規制、航空情報であるNOTAM、交通状況などを考慮に入れて判断されます。

 

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次にUNIFLY PROについてです。同サービスを使用することによって、飛行プランの選択と編集、飛行の開始と終了までのデータの記録、ドローンの位置情報のリアルタイムでの監視などが可能となりより安全な機体の運用に繋げることができます。UNIFLY PROも同様、直感的でシンプルなユーザーインターフェイスを採用しているため、ユーザーは画面のポイントやタップのみでアプリを操作することができます。

次にUNIFLY SENTRYについてです。UNIFLY SENTRYはドローンと有人航空機のための空域管理システムで、ドローンとパイロットの登録状況の管理や飛行前・飛行中・飛行後のドローンの状態の確認やフライトリクエストの承認・拒否などが可能で、現行のATM(航空交通管制)との相互接続も視野にいれて設計されています。同サービスは民間航空管理局(CAA)、航空管制プロバイダー(ANSP)、政府、警察、救助サービス向けとなっています。

 

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最後にUNIFLY CONNECTについてです。UNIFLY CONNECTは同社の所有するデータベースをAPI・SDKを通じて顧客に提供し、顧客側で自社システム・ドローン機体の管理に活用できるサービスです。サービスを利用した活用例としては、ドローンのリアルタイムでの追跡や監視、ドローンの飛行のリプレイ、ドローンのタイプ・モデル毎の事故履歴の分析、ジオフェンシング、ドローンの識別など多岐にわたります。

以上のように、Uniflyはドローンの安全な運用を促進する航空管制システムの開発・提供を行っている企業です。それでは株式会社CLUEのCEOである阿部亮介と、UNIFLYのCEOであるMarc Kegelaers氏にインタビューを見ていきたいと思います。

 

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阿部 : 飛行中のドローンの位置情報などのトラッキングは、スマホのアプリ(LAUNCHPAD)が常に機体と同期しているから取得できるのでしょうか?

Kegelaers氏 : クラウドのシステムにドローンからAPIが解放されればそのままネットワークを経由しますし、そうでなければ後からつけるチップセットみたいなものを提供しそこから送ってもらう形でクラウドに接続します。

阿部 : アプリからドローンに対してリクエストを送って、そのレスポンスが返ってくる仕組みは各社のSDKやAPIを通じて実現できまると思いますが、ドローン側からAPIを発しているというのは具体的にどのような仕組みになっているのでしょうか?

Kegelaers氏 : 具体的にDJIやParrotなどコンシューマー向けのドローンはアプリケーションから叩いて、そこの反応を持ってやらないといけないといけないと思いますが、産業用のそもそも発信する装置を持っているドローンに関してはサーバーに直に発信します。目視内のものについては操作する際にはアプリを使っていると思うのでそこを経由しなければいけませんが、目視外で実験的にやるものについてはLTEなどを使います。

 

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阿部 : ドローンには様々なメーカーがありますが、対応しているメーカーは全てなのでしょうか?それとも一部なのでしょうか?

Kegelaers氏 : DJIとParrotについては対応しています。業務用については今後拡大していく予定ですが、Trimbleという測量系の会社のドローンに対応しています。

阿部 : UTMはアメリカだと例えばLATASなどがありますが、ヨーロッパのUTMの状況について教えていただけますか?

Kegelaers氏 : 各国の航空局は当初ドローンの飛行高度があまりにも低いことからドローンについてあまり関心を示さなかったように見受けられます。しかし、主要都市での事故・ニアミスが増加するに従って何かしなければいけないと動き出したのがこの1年の動向です。従って、ヨーロッパにUTMというシステムを提供できるプロバイダーは存在していなく、それを唯一できるのが5年前から構想しソフトウェアを構築してきたUNIFLYだと思っています。

 

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阿部 : 具体的にヨーロッパの各国にどれくらいの導入実績があるのでしょうか?

Kegelaers氏 : 現在は約10ヶ国で今後はヨーロッパの全ての国に、そしてその後はドローン産業が盛り上がるであろう大国に提供していきたいと考えています。アジア太平洋領域に関しては、テラドローンと協力してやっていく中で、どの市場がいいかを見極めていきます。

阿部 : 航空局に対しての情報提供などは大口のお客様になると思いますが、UTMのマネタイズの方法について教えてください。

Kegelaers氏 : 航空局については現在検討中ですが、1つはソフトウェアのライセンシング形式にして売り切ってしまう、もう1つはどれだけの登録あったか、どれだけシステムの利用をしたかなどの利用量に応じて従量課金していく仕組みを検討している段階です。プロオペレーター向けに提供しているUNIFLY PROに関しては、10ユーロから機能別に月額制の展開をしています。

阿部 : UTMは欧米を中心に競合他社がいくつか存在していると思いますが、競合として一番意識しているところと差別化しているポイントについて教えてください。

Kegelaers氏 : 競合についてはLATASなどが挙げられますが、あまり競合として意識はしていません。LATASは高価格機種に対応したサービスに見受けられますが、弊社のサービスは小型のものから全て管理することができます。さらに、UNIFLYは航空領域からこの業界に入ってきていますが他の企業はソフトウェア出身の会社が多いと思います。したがって弊社は航空との繋ぎ込みの点他社と差別化を図れていると思います。ATMの世界との繋ぎ込みのシステムを作っているのは我々だけです。個人のユーザーやプロフェッショナルユーザーに提供を考えている人は多いかもしれませんが、政府や航空局などの機関に提供することがバックボーンとしてできるのは私たちだけだと考えています。

阿部 : UTMを開発する上で課題などはありましたか?

Kegelaers氏 : システム面における大きなハードルは今までありませんでしたが、ドローンは普遍性のあるもので各国がUTMに一斉に取り組み始めているように見受けられます。最近はアメリカ・ドイツ・ポーランド・日本など飛び回っていて、全世界的に一気にUTMに注目が集まっていて同時に展開していくことに課題を感じています。

 

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阿部 : 今後世界展開を広げていく中で現地のローカルな法律などが存在すると思いますが、ローカライズする上で気をつけていることは何でしょうか?

Kegelaers氏 : 法律や規制が各国によって異なっているということがそれぞれの政府や機関が課題意識を持っていることだと思っていて、UNIFLYは各国の規制をきちんと読み取ってそれをルールエンジンに落とし込んで整理し、わからない人に対しても直感的にシステムとして機能することが強みです。もともと航空サイドにいたということが大きく影響していると思います。

阿部 : ドローンが早期に普及する先進国に対して先行的に展開していくとの話でしたが、アフリカはドローンを使った配送サービスの展開など今後UTMが必要になる国の一つだと思います。アフリカについてはどう思われますか?

Kegelaers氏 : 事業をやっていく上でマーケットとして捉えるのは産業が進んでいる国というのが大前提です。その上でドローンが飛行する頻度や本当にニーズがあるか、顧客がUTMにいくら払う価値を見出すかが重要です。南アフリカにもコンタクトはとったことはありますがドローンの飛行頻度やニーズに鑑みてしっかりと見極めなければいけません。

阿部 : それでは新興国やアフリカにはまだ行かない予定でしょうか?

Kegelaers氏 : まずは先進国にフォーカスしています。しかしもちろんオープンに考えていて、事業性があるかどうかはしっかりと見極めなければいけません。

阿部 : 欧米でも出資をしてくれるパートナーの選択肢はたくさんあったと思いますが、テラグループをパートナーとして選んだ理由について教えてください。

 

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Kegelaers氏 : 多くの金融系の機関投資家と話はしましたが、いわゆるVCとしての投資であり、ドローンビジネスの戦略的パートナーとしてシナジーを意識して出資をするという話が来たのがテラだけだったからです。また、従来から東南アジアを中心にビジネスを展開しており、私たちが知見のないマーケットについてアクセスを持っている点も決め手です。

阿部 : 会社として、どれくらいの売上規模の会社に成長する見込みですか?

Kegelaers氏 : 明確な金額はわかりませんが、UTM業界の中で1位、少なくとも2位になる自信があります。テクノロジーサイドからUTMをやっている競合他社と比べても1番進んでいる自負はあります。UTM業界の中で1位になり、色んな会社から一緒にやりたいと言われるようになったらかなりの金額になると信じています。

阿部 : UTM以外のサービス展開の予定はありますか?

Kegelaers氏 : UTMというビジネスが成り立つためには3年から5年の歳月が必要だと思っているので、その間はUTMの事業に集中しそれ以外のことには手を出す予定はありません。

阿部 : 何年くらいで各国にUTMが普及すると見込んでいますか?

Kegelaers氏 : 2017~18年で実証が始まり、2019年で実際の商業化が始まると推測しています。また、2020年で完全自律飛行が実現すればUTMは需要性が高まると思っています。

阿部 : 最後に日本の皆さんに一言お願いします。

Marc : 日本に来れてとても興奮していますし、様々な関係者と会談の場を持ちました。日本の政府機関の方々とも話しましたがとても良いステップを踏んでいると思います。そのようなことができていない国もある中で、ドローン産業を政府が盛り上げる後押しをしていますからマーケットとしても注目しています。PwCや幾つかの機関が発行しているレポートを見てみても、ドローンはインフラストラクチャになり得る産業であり日本の関係者の方々にはドローン産業を今後も成長させて欲しいと思っています。

 

source : UNIFLY

 

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