一般社団法人日本UAS産業振興協議会「JUIDA」理事長の東大・鈴木教授に聞くドローンの今と未来

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国内でも無人航空機ドローンの利活用のために官民が協力して産業の立ち上げを推し進めています。

一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA:Japan UAS Industrial Development Association)はドローンの応用技術の開発や安全な運用ルールの研究、人材育成、環境整備などを進めている社団法人で、大学や研究機関の研究者、リコー、エンルート、ブルーイノベーションなど約150の個人・団体から組織されています。

今回はJUIDAの代表理事を務めている東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻の鈴木真二教授にJUIDAとしての取り組みや法規制、テクノロジー分野などについて、株式会社CLUEのCEOの阿部がインタビューを行いました。

 

JUIDA 鈴木理事長

鈴木 真二教授
東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻 教授
一般社団法人日本UAS産業振興協議会理事長

 

JUIDAの取り組みについて

阿部:まずはJUIDAの取り組みについてお聞きできればと思います。現状、イギリスやフランスではドローン専用のパイロットの育成に力を入れていて、実技や筆記の試験通過者に免許を発行しています。それらの国ではドローンを商業利用していく中で、操縦スキルがある人が実際の現場で操縦を行うように制度を整えています。JUIDAでも操縦者の育成や資格の付与を目指しているということで、直近ではデジタルハリウッドさんと教育系の事業を取り組んでいこうとしているようですが、今後どのような形で人材育成に携わっていくのでしょうか?

鈴木教授:JUIDA自体は一般社団法人ですので、公益的な目的のために活動しています。JUIDA自身が人材育成のコースを設置するということではありません。例えばデジタルハリウッドさん以外にもドローンのパイロット養成プログラムを計画していらっしゃるところもあるのですが、各企業が個別に教育プログラムをやっても統一的なライセンスとならないという問題があります。国家資格まではいかないのですが、業界内で標準的な資格を目指したいです。それは一般社団法人のような組織が認証して各企業の教育プログラムが基準を満たしているかを判断し、例えば「JUIDAライセンス」のようなものを提供できればと思います。そうすれば、いろんな企業から全国的に広がっていくことが期待できます。既に、いろんなところから問い合わせが来ているので、共通的なライセンス資格を会員の皆様と協議しながら進めて行く予定です。航空局の方がそういった審査結果をもとに、ドローンを利用したい個々の企業の安全性を判断して、特例となる飛ばし方を認証できるようになればと思っています。

 

阿部:国内ではAAA(トリプルエー)さんが育成施設を沖縄県のほうに作ろうとしていたり、ドローン検定協会さんがドローン検定を作っていたりしますね。

鈴木教授:そうですね。いろんな動きがすでに起きているのですが、それぞれバラバラに作っても国のほうで審査するのが大変ですから、共通的な基準を作る必要があると考えています。

 

阿部:JUIDAはドローン関連の中小企業ベンチャーの支援も行っていくということですが、具体的にどのような支援を行っているのでしょうか?

鈴木教授:現状ではまだ情報提供やネットワークの構築がメインで、セミナーを開いたり、会員の方には定期的に最新の情報をニュースレターとしてメールで配信したりといったところで活動しています。今後はいろんな形でサポートできると考えていて、先ほどのAAAの沖縄の件も、申請する際にJUIDAがサポートをしました。今は特区の申請も始まっているので、具体的に申請があった場合にJUIDAとしても協力支援を行っていきます。さらに、今後はもう少し踏み込んだ支援もできるんではないかと考えて、いろいろ検討しています。JUIDAには現状、150くらいの会員がいらっしゃるのですが、いろんな業種の方がいて、利用する業者の方以外に、例えば保険会社の方とか投資会社の方、部品メーカーや機体を製造しているメーカー、メディア系の方もいます。その一つ一つの強みを活かしながら連携を取ることによって新しいビジネスが生まれると思います。そうしたコーディネートのような活動も開始いたします。また、ドローンを使用するベンチャー企業などが安全にドローンを運用できるように操縦者ライセンス以外に安全管理者制度のようなものを創設する予定です。

 

 

阿部:筑波でドローンの飛行試験場を開始したということですが、実際の企業からの反響はどれくらいあったのでしょうか?

鈴木教授:5月早々に公開したのですが、さっそくいろんな問い合わせがありまして、すぐに使いたいという反響がありました。製品は飛ばすことができても、開発中のものは簡単には飛ばせないため、広い飛行場がほしいということです。使用規定なども整備しましたので、広く使っていただけるはずです。各地から空いている土地があって試験場として提供ができるというオファーをいただいておりまして、どうやって上手く運営するか議論しているところです。筑波でのやり方が軌道に乗れば、そのスタイルを他でも適用するということができるんじゃないかと思います。

 

阿部:私の会社も渋谷にオフィスがあるのですが、近隣にドローンを飛ばす場所がないので、ドローンの制御系の実装をしても、飛行テストをするために筑波に機体を持っていくのが難しいという問題があります。

鈴木教授:そうなんですよね。だから、今度航空法が改正されると人口密集地域は事前に申請しないと飛べないということになるので、会社として研究のためにドローンを飛行させるための許可が必要になります。申請の方法など、申請する側も、審査する側の過大な負荷がかからないような方法を求めていきたいと思っています。航空法は外を飛ばす際に適応されるもので、屋内の飛行については航空法は適用されませんので、とりあえずは屋内で飛ばしながら実験するということはできます。GPSの電波を受信する必要がある場合には屋内でGPSの電波を受信できる膜構造の施設もあります。そうした設備も整備していくのも必要だと思います。

 

一般社団法人日本UAS産業振興協議会「JUIDA」理事長の東大・鈴木教授に聞くドローンの今と未来

お邪魔した研究室には様々な飛行機の模型が飾られていました

 

国内の規制について

阿部:次は国内の規制についてお聞きしたいと思います。国会で規制法案が通りましたが、今回の規制法案の内容だと商業利用にどれくらい影響があるとお考えでしょうか?

鈴木教授:首相官邸や国会議事堂、皇居の上は飛べないということになります。また、まだ国会審議されてないですが、航空法の改正も予定されています。航空法では、今までも飛行場の近く、飛行機が通る空域は許可や届け出が必要でしたが、今後は、人口密集地域は許可無く飛ばせなくなります。東京23区はほとんど飛行禁止区域になるので郊外に行かないと飛ばせないということになります。例えば、報道関連では空撮でニュースを撮りたいというときに、人口密集地域を飛ばすということになる可能性もあるので、きちんと許可を取らないといけないということになります。現在は報道機関も自分たちで飛ばすというよりも業社に依頼して飛ばすということが多いのですが、業社の方がきちんと資格を取り申請を行う必要があります。災害があったときの調査などの公的な目的の場合には、禁止の範囲には含まれないということになっています。また、夜間を飛ばせないということになりますので、夜景は撮れないということになり、そのときにも申請が必要になります。目で見える範囲内でしか飛べないということにもなりますので、今はGPSで自律飛行ができますが、目視外飛行には許可が必要です。試行的に薬を運んだりモノを運ぶといったことが行われていますが、そういったことを業務として行う場合には許可が必要になります。これは手続きが増えることにもなりますが、逆に、きちんと許可を取っていれば、「許可があって飛ばしている」ということになりますから、今までのように「本当に飛ばして大丈夫なの?」と言われることがなくなります。ルールがはっきり定まることで事業として組み立てやすくなるというプラスの面もありますね。

 

阿部:規制の枠組みが出来つつありますが、例えば、目視の範囲内でしか飛ばしてはいけないという内容は、ドローンが障害物を回避する「Object Avoidance」機能がまだ十分でないことに起因していて、テクノロジー的に未発達なことが規制に影響を与えていると考えています。今後、テクノロジーが発達することによって規制自体が徐々に変わっていく可能性があるのでしょうか?

鈴木教授:そうです。そういう意味では、航空法の改正案が出ましたけども、その中に「今後の技術の発達が見込まれる分野なので必要な措置を講ずる」という附則が入っています。実はそうした附則が入っている法律はほとんどないんです。技術が急速に発達中の分野なので、その発展に合わせて修正が必要ということを国のほうでも十分に認識されているということです。おっしゃられたように、センサー技術が発達していますから、いろんな形で今までとは違う形で安全の確保ができるようになるはずで、現段階ではできなかったことができるようになります。技術の発展を阻害しないようなルール作りというところを国にお願いしていて、そこは国の方も配慮した規制内容になっていますね。

 

阿部:続いて電波法のお話なのですが、現行法ではドローンが飛行中にデータを直接クラウドに送信することができないという問題がありますね。

鈴木教授:2.4GFz帯で受けたものを地上局経由でクラウドにアップロードするということはできます。Wi-Fiに直接ドローンが繋がっているということはないので、直接アップロードはできないのですが、将来的に携帯電話の通信をドローンもできるようになれば、直接データをアップロードしたりダウンロードできるようになる可能性はあります。しかし、携帯電話の回線自体は地上の移動局用に作られているので、空飛ぶモノに対しては設計されていないという課題があります。ドローン用の新しい周波数が許可されて、ドローン用に設計した基地局からの電波の発信ができるようになれば、広がっていくようになると思います。アメリカではドローン用の通信技術を確立しようというところで動きがあるんですけれども、日本の場合にはどれだけドローンが使われるのかが誰にも分からないので、鶏が先か卵が先かという形になっています。みんなが使えばインフラが整うのですが、インフラが整っていないとみんなが使おうとしない。つまり、利用者と通信事業者が一緒になって検討していかないといけない部分だと思います。

 

阿部:アメリカのスタートアップですと、飛行中のドローンからリアルタイムでクラウドにデータ送信をして、データの精度や整合性を評価するという仕組みが作られているのですが、日本の現行法では直接クラウドに送ることは出来ずに、基地局経由になってしまうということですね。

鈴木教授:そうですね。今は携帯の通信を空中から送受信することは許可されていないので、そういう意味では現状では日本ではできないですね。

 

阿部:総務局が2.4GHzから5GHz帯の間でドローン専用の電波帯域を作ろうと検討していますが、それが整備されれば、飛行中のドローンからリアルタイムにクラウドにデータを送れるようになる可能性もありますか?

鈴木教授:周波数の割り当てが行われて、地上局がそれに対応するようにインフラ整備されれば使えるようになると思います。

 

テクノロジーについて

阿部:続いて、テクノロジー関連のお話をお聞きしたいと思います。アメリカとか中国とか欧州と比較すると、日本はドローン産業が出遅れているというのが実情で、アメリカであればソフトウェアやクラウドの部分、中国であればハードウェアの部分、欧州であればドローンを利用したサービス分野に強みがあります。ある程度各国で棲み分けが出来てしまっているのですが、これから日本が後発で闘っていくためにはどのテクノロジー分野であれば巻き返しが可能だとお考えでしょうか?

鈴木教授:一つはセンサーの部分が日本が非常に強い部分です。例えば、画像処理やレンズは世界的に日本製のものが使われています。この間も、あるレンズメーカーが急に売上が増えたので、なんでなんだろうと調べてみると海外メーカーが使っていたということがありました。実は日本製が非常に重要なところで使われていたりするのですが、機体を組み上げるというところは中国に取られてしまっているので、日本製は難しいと思います。今後業務用としてドローンを使っていくとなると安全性や信頼性が二桁くらい高いものが要求されるので、そうなったときには日本の製造技術の強みが出せるんじゃないかと思います。業務用の高品質なドローンというところではまだまだこれから日本は期待できると思います。そのためにもきちんとルールが整えられて、大手企業が参入しやすいベースを作るのが大切です。

 

阿部:世界的に商業用のドローンが徐々に普及していく流れが出来てきたのですが、今後ドローンが商業ベースで普及していくためにはどのような技術分野の成長が必要になるのでしょうか?

鈴木教授:一つには信頼性がありますね。航空機の部品は10の9乗時間分の1回の故障という信頼性を要求されています。10の9乗というのは1年間が1万時間ですから、10万個のパーツを1年中動かしていて1個だけ壊れるという高い信頼性が要求されています。それは人を乗せて飛ばすからなのですが、ドローンの場合にはどこまで部品の信頼性をちゃんと確保しておけば普通に使えるのかというところの見極めがまだ出来ていません。そこをきちんとしたルールを作らないといけないですし、それに合う部品を提供していくということが必要になってきます。どこまでだったら社会的に許容されるか、それから空中でトラブルが起きたときにどうしたら安全に地面に下ろすことができるかというところも含めて安全に飛行させる技術というのを固めておかないとどこまで安全に作ったら良いのかというのがよく分かりません。そこは研究開発と基準作りが両輪として進めていかないといけないです。業務用となったときには高い信頼性が要求されることになりますが、日本はモノを作る力はあるので、基準作りと故障が起きたときに安全に着陸させる安全技術が必要になってきますね。

 

阿部:チリも航空法を改正していて、意外なことにチリでは政府系のベンチャーキャピタルがドローン系スタートアップに積極的に投資を行っているのですが、チリ民間航空局はドローンにパラシュートの搭載を義務付ける形で安全性の担保を行っているようです。

鈴木教授:それはありますね。パラシュートですとかエアバックとか、構造自体を落下したときに衝撃吸収できるようにしておくとか色々な手立てがあります。安全に着陸できる地点を予め登録しておいてトラブルが起きたときに自動でそこに下りてくるようにするなど、様々な手段で安全を確保することが重要です。フランスでは長距離を飛ばすときに飛行高度を50メートルに制限していて、農場や牧場のような非人口密集地域では長距離飛ばせることになっています。50メートルは意外に低いのですが、故障して落下しても遠くまで飛んでいかないようにという配慮かと思います。また、落ちても非人口密集地域なのでそこまで大きな事故にはならないという条件で飛ばしています。逆に、もっと高いところを飛ばしてトラブルがあったときにパラシュートなどで着陸させることもあるかと思います。技術がどこまで成熟しているかによって、どういう飛行高度まで飛ばすことができるのかの設計ができるようになると思います。

 

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海外での実用例が多い固定翼機の例

 

阿部:フランスの事例が出てきたので、固定翼についてお聞きしたいと思います。国内ではドローンというとマルチコプターのイメージが強いのですが、フランスやカナダ、アメリカなどの広大な土地を持つ国では固定翼も普及しています。二点ほど質問があるのですが、一点目として安全性という部分でマルチコプターと比較すると、トラブルが起こった際もマルチコプターであれば垂直に落下してきますが、固定翼の場合には滑空しながら下りてくるので安全性が高いイメージがあるのですが、それは正しい認識でしょうか?また二点目として、日本国内では国土が狭いこともあり、商業利用する際に小回りが効くマルチコプターの方が向いていると考えているのですが、将来的に固定翼も普及する余地があるのかという点についてお聞きしたいと思います。

鈴木教授:固定翼は私の研修室でだいぶ前からやっていて、空撮のために使ったりしています。ほとんど落としたことがないので、そういう意味ではグライダーですから、すーっと飛んで行くのでマルチコプターよりも機体そのものの飛行安定性は高くて安心して飛ばせるというところはあります。ただ、コントロールできなくなってしまったときに遠くまで飛んでいってしまうというところがあるので、そこは逆に使いにくいということがあります。マルチコプターであれば目視の範囲内でしか使っていないと思うので、どこに落下したのか確認できるのですが、固定翼の場合にはかなり速度が出ているので、見えている範囲で飛ばしているのですが、コントロールが効かなくなった場合にかなり遠くまでいってしまうという問題があります。パラシュートを付けていたりはするのですが、それでもかなり流されてしまうので、そういう意味で広い空間がないと固定翼はなかなか使えないというのは確かです。そのため、日本の場合には使える場所がかなり限定されると思いますが、固定翼は広い空間で利用する場合には向いているので遠方にものを運ぶ場合には適しています。

 

阿部:現時点のドローンの技術分野で言うとバッテリー問題が大きいと考えているのですが、現状では有線給電やレーザー光線で充電したり、非接触型の充電基地など色々なアプローチがあります。長期的に考えたときにどの方法がバッテリー問題を解決し得るテクノロジーになるとお考えでしょうか?

鈴木教授:バッテリー自体の性能向上が最も大切なのですが、飛行範囲が限られているのであれば、下から有線給電するというのはあると思います。レーザーやマイクロ波で充電するというのは昔から色々と検討されていますが、決まった点を飛んでいて、そこを遮るものもないというのはかなり限られた条件での利用になります。非接触充電は、充電時間などが改善されれば一つの方法かもしれませんね。回転翼の場合はあまり見たことないのですが、固定翼の場合には所謂ハイブリッドで内燃機関で充電させながらモーターを動かすという使い方も長時間飛ぼうとする場合には使われるようになると思います。あとはソーラー発電というのもありますね。太陽光発電しようとすると、広い羽根が必要になるのですが、例えばGoogleはTitan Aerospaceという企業を買収して、Project Titanを検討していますが、5年間飛べるドローンを目標に開発しています。成層圏に滞空させて、空中の中継局にしようという計画です。特殊な使い方ですが、ソーラー発電というのも一つの方法です。

 

ドローンの将来像について

阿部:最後のテーマとしてドローンの将来像についてお聞きしたい思います。国内ですと、農業やインフラ点検、建設など様々な分野でドローンが使われはじめていますが、国内で限定したときにはどの産業分野での活用が最も伸びていくとお考えでしょうか?

鈴木教授:そうですね、まず一番大きいのは物流だと思うのですが、落下しても安全であるというような畑の上とか離島とか川の向こう側に飛ばすとか、そういうところから徐々に広まっていくと思います。現状でも、買い物難民と言われている方もいて、高齢者の方で人里離れたところに住んでいる方に対してどのようにしてモノを届けるのかというのが重要な課題となっているので、そういうところから広まっていくと思います。また、緊急輸送というところで、薬を運ぶとかがありますが、薬事法の関係で処方箋を出した薬は対面でしか売れないということがあるので今はちょっと難しいですが、それが許されるような状況になれば、ドローンで配送するというのはあると思います。それから、遠隔医療が今後進んでいくのですが、現状では先生がネットの向こうでどうですかと聞いて答えるくらいしかできないですが、血液とか尿のような検体をドローンで運ぶことができるようになれば、実際の検査をしないといけない場合に、今までは病院に行かなければいけなかったことが家に居ながらにしてできるようになります。つまり、遠隔医療が次のフェーズに入るようになると思います。研究室でも実験したことがあるのですが、AEDを数分間で届けないといけない場合を想定し、ゴルフ場で実験をしたことがあります。ゴルフ場であれば簡単に導入できそうですが、本当にAEDをドローンで運んで良いのか許可を得ないといけません。人の命を救うというところがドローンの配送サービスとしては重要と考えます。

 

一般社団法人日本UAS産業振興協議会「JUIDA」理事長の東大・鈴木教授に聞くドローンの今と未来

 

阿部:FAAがアメリカ国内で初のドローン配送テストを、オーストラリアのスタートアップであるFlirteyに許可して7月17日に輸送テストを行ったのですが、そのテストも医療品をバージニア州のクリニックに届けるという内容でしたね。やはり輸送分野だと医療品の配送から広がっていくという流れになりそうでしょうか?

鈴木教授:日本の場合には医療関連の規制が厳しいので、簡単な買い物からかもしれないですね。しかし、要請という意味では非常に大きいと思います。医療雑誌の方も取材に来たのですが、非常に可能性がありますねというのを私達以上に認識しておられました。もっと極端な話をすれば、臓器移植も新鮮なうちに届けないといけないので、氷の入った保冷容器に臓器を入れて救急車で運ぶのですが、それを空から運べるようになればもっと短時間で運べるとのことでした。医療関係はいち早く届けないといけないということがあるので、道路で運んでいくよりも、飛行場までドローンで臓器を運んで、そこから飛行機で臓器移植しないといけない人のところへ運んでいくという形になります。早く届けないといけないというニーズは医療関係者の中では認識されているようですので、上手く連携を取って進めていけば、新しい使い方として提案できそうです。あとは高速道路で渋滞している車内の患者に必要なものを運ぶといった用途もあるでしょうね。そういった公的な機関という意味ではこれからもっと使っていかないといけないと思います。アメリカでは積極的に使っていて警察がドローンで犯人を捜索するといったことにも使われています。

 

阿部:10年後20年後のスパンで考えていくとドローンはどれくらい日常の中に入り込んでくるようになるでしょうか?

鈴木教授:例えば倉庫内で点検をしたりとか、軽いモノを運んだりとか、意外と室内での利用は最初に広まるかもしれないですね。工場内の温度分布を測ったりするときにトラバース装置がないと測れないところが、ドローンで簡単に測定できるようになれば工場の管理に利用できますね。または倉庫の在庫管理とか、意外と早い段階で使われるようになるかもしれません。カメラによる自己位置推定などが重要な技術となります。

 

阿部:南アフリカの「Drone Scan」やアメリカの「ASADA」という企業では倉庫管理や店頭の在庫管理にドローンを利用しています。商品にRFIDを取り付けて、ドローンにタグリーダーを搭載して倉庫内や店頭内を飛行させることで在庫を専用のシステムで一元管理するということをしています。

鈴木教授:そうでしょうね。もう試行的に実験なされていると思いますが、そういうものが整備されて来れば、割と早い段階で実用化されてくるんじゃないかと思います。あと、工場内では自動搬送ロボットというのが普通に使われています。街中をロボットが走るというのはなかなか難しいですが、工場内で決められたところを走るというのは安全なので早い段階で使われるようになりました。ドローンも同じで、室内で飛ばすというのであれば割と早い段階で導入される可能性はありますね。室内は室内でまた航空法とは別に規制があって、労働環境の安全性を保てるかとかそういうところがありますから、別の法律で規制されると思います。ただ、無人のところでドローンを室内で飛ばすというのであれば割と使いやすいと思います。

 

阿部:室内では割と早く普及する可能性があるということですが、本格的に屋外でドローンが飛行するようになるまでにはどれくらいの期間が必要で、どのようなテクノロジー分野の発達が必要になるとお考えでしょうか?

鈴木教授:やはり、街中で飛ばすというのはなかなか難しいので、飛行エリアを限定するというのはありますね。例えば、道路や川の上をドローンが通れるように整備するとか、そういうインフラが整備されてくればできるようになります。勝手に色々なところをドローンが飛び交っているというのは相当先だと思いますね。インフラとしてドローンが通る空路のようなものを確保して、そこを飛ばすというところから始まりそうです。その時には、複数のドローンを管理する飛行管制システムも同時に整備することも重要で、その際には、電波の管理必要ですが、人手のかからないICTの活用が重要です。

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