シンガポールでは、数年の内にドローンの交通量が爆発的に増加することが予測されています。それを受け、シンガポールの南洋理工大学(以下、NTU)でドローンの交通管理システムの開発計画が進められています。
URL:Nanyang Technological University
テクノロジーの発展が著しいシンガポールの街ですが、人口密度が高く所狭しとビルが立ち並んでいるため、将来的にドローンが市街地に飛び交うようになったときには事故やトラブルが頻発する恐れがあります。そのため、シンガポールではドローンの交通管理システムを開発することが急務となっているのです。
そんなシンガポールで進められているプロジェクトの先頭に立つのが、NTUのLow Kin HuatとMohamed Faisal Bin Mohamed Sallehです。彼らは、ドローンに搭載された検出・回避システムや離着陸の場所における検出・回避システム、そして都市をまたぐバーチャル車線などのソリューションを提案しています。
URL:Nanyang Technological University
NTUではドローンの護送、編隊飛行、ロジスティクスなどの実用的な技術の実証実験を行っています。
Low氏は「この新しい交通管理プロジェクトは、都市における安全かつ効率的なドローン交通の実現を目指して開発された新しいコンセプトの実験である。」「安全性を損なうことなく様々な目的でドローンをシームレスに運行する方法を開発している。このプロジェクトが生み出す結果は大きな影響を持つだろう。」と述べました。
また、Faisalは「安全基準を提案することも検討する。例えば、どの程度の高度でドローンは飛行すべきか、建物の上空どれくらいを飛行すべきか、プライバシーに関する懸念や法律を考慮して、理想的な規制のあり方を探りたい。」と付け加えます。
今後、ドローンの追跡により速度をチェックし、交通の流れをスケジューリングすることで輻輳や衝突を回避できるシステムの開発や、規制の法的制度を考慮しながら「ジオフェンシング」と呼ばれる決められた空域の周りでドローンを迂回させるバーチャルフェンスを作成する実験が行われます。
プロジェクトは設計とシミュレーションの第1段階が今年末までに完了し、テストが2018年から4年間行われる予定となっています。